大船渡
ずっと着手できなかった「地域共生アプリ」のコンセプトペーパーをまとめる。
新たな出会い
夜、腰が痛かったので大船渡温泉に。まだ出来たばかりで、大船渡湾を一望。390円は安い(涙)
夜の大船渡湾に浮かぶ綺麗な満月を眺めながら1時間位露天風呂に入っていた。(湯治気分)
そこに、一人の白髪の紳士が。めちゃくちゃいい声で世間話を始める。
「昨日は福島で「こうえん」して、明日は盛岡の駅前のホールで「こうえん」するんですよ。」と。
あー学者さんか何かなのかなーと思ってたら、何とその方は新宿にある「歌声喫茶ともしび」
の責任者の方だった。
歌声喫茶ともしび
http://www.tomoshibi.co.jp/
僕が知っている「歌声喫茶ともしび」は新宿歌舞伎町裏にあった風情のある喫茶店。
上京したばかりで「歌声喫茶」って??と思いながら前を通ったのを覚えている。
お店は60年以上前、反戦運動、学生運動の聖地のような場所でロシア民謡やフォークソングを
みんなで歌いあう場所だったそうだ。
そこから20年位は低迷期が続きそれこそ「風前のともしび」だったとその方は語る。
すると15年くらい前から、当時運動員だった人たちがリタイアしてまた通いだすようになり
盛り上がり始め、そこから「出前喫茶」で色々なイベントに呼ばれたり単独公演をするように
なったとのこと。
ご自身は福島県の浪江町の出身らしく震災後被災地での「出前喫茶」を続けられているとのこと。
「出前喫茶」とはホールや公園に集まった人たち全員で昔懐かしい歌を歌うというイベントで
「こうえん」とは「公演」のことでした。
年間200以上の公演が行われていてホテルオークラからもオファーが来たそうです。
「明日は盛岡駅前のホールで500人の方が2000円のチケットを買って集まっていただきます。」
と嬉しそうに話していた。今度お店にお邪魔することを約束する。
「マグロのカマ煮、頑張って食べてください」と送り出す。
「歌声喫茶ともしび」
学生達の熱いパッションに包まれ彼らを送り出したその場所は、20年の低迷期に必死に耐え、
現在はリタイアしたその人たちのパッションをまた受け入れる場所に。その存在の大きさは
「出前出張」という形で全国からも求められている。
高齢者に情報を届けるのではなく、高齢者のパッションを吐き出させ元気を蘇えさせている。
高齢者が綾小路きみまろでわざわざ毒舌を聴きにいくのは、自分が吐きたい毒をきみまろさんが
代わりに言ってくれるて、それをみんなで笑って共感しあいたいから。
出前喫茶に2000円払うのは、思いっきり大きな声でみんなで歌って共感したいから。
「吐き出す」ことと「共感」すること、その「空間」にある価値があるのではないだろうか。
色んな事を学べた出会いであった。